公開: 2023年4月4日
更新: 2023年4月4日
古代から現代までの宗教では、特にキリスト教では、物事を考え、神の言葉を理解して、真理を解明できるのは、神以外には、人間にしかできない行為でした。しかし、進化論の登場によって、人間には、神の声を聴いて、真理を解明する能力がないとすれば、神は万能ではないことになります。そして、人間も、万能ではないのですが、神のように、物事を考えることができる機械を生み出すことができます。
その不完全な人間が作り出した、考える機械や新しい生物は、人間よりも巧妙な方法で、素早く計算をし、答えを出せるようになるかも知れません。場合によっては、人間を使って、新しい問題を解くようになるかも知れません。そのような意味で、人間は、かつて人間が考えた神に近づいているようです。
ユヴァル・ハラリ著、『サピエンス全史』上下、河出書房新社(2017)